昨年末出会ったギフテッドボーイのC君。
前回、トキとC君は似た者同士で、激しく衝突したり、激怒し合ったり、取っ組み合いのケンカをした話を書いたのですが、今日はそれを見ていた私の気持ちを書きたいと思います。
今まで、トキがお友達に対してこの様な行動に出た時、私は相手のお子さんとお母さんに対して非常に心苦しい気持ちになっていました。
しかし、今回なんですが、私、この二人のバトルを非常にゆったりとした気持ちで眺める事が出来たのです。
そこにあったのは、間違いなく「お互い様よね」の感覚でした。
普段は、どう考えてもどう見ても、うちの子が「過剰反応」を見せているケースがほとんどなんですね。
「子供同士のやる事だから…」「お互い様よね」っていうのを、絶対うちから言い出せないパターンばかり(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
常に「ご、ごめんねえ〜!!」です。
もちろん、トキ本人の言い分はあって、それを聞けばなるほどと思えたりもするのですが、おそらく他の子供だとそこまで過剰に反応しないだろうっていう事ばかり。
「そんな事でそこまで怒らなくても…」とか「そんなに厳しく相手を問い詰めなくても…」とか「そんなにしつこくしなくても…」という感じです。
しかしですねえ。C君。おんなじですよ、トキとおんなじ!!
「ああ〜、この子もこの些細と思える事で、これだけ激怒するよね。」とか「ああ〜、この子も相手がやめてって言う事を、面白がってちょっかい出し続けちゃうよね。」とか、「ああ〜、この子も自分はこうしたい!って思ったら相手に絶対譲らないよね。」とか、とか。
どっちかが一方的という感じにはならないし、これだけ同じ土俵でやり合うなら、お互い存分にやり合うなかで、上手くやっていく方法を模索してくださいな、とある程度子供達に任せる事が出来ました。
トキとC君には単に「ケンカしちゃダメ」「仲良くしてね」と言うのではなく「君とあの子はとっても似ているんだよ。あの子も君と同じ様な感情になるんだよ。君は〜されたら、すーーっごい怒るよね。あの子も同じ。だからあんなにキイキイ怒ってるんだ。もし自分がそうされたらどんな気持ちになるか考えれば、あの子が今どんな気持ちになってるか分かるでしょ。それにね、あの子も、もし君が優しくしたら、その優しさを当たり前とせず、すっごく嬉しいって受け取ってくれる相手だよ。そこも似ているんだよ。」とアドバイスしました。
嫌な事を嫌だと思う激しさも、相手の優しさを身に染み入るほど感じられる繊細さも、同じレベルだから、きっとお互いにとって一番理解しやすい相手だと思うのです。
相手と自分の感情の置き換える事が、二人の関係に上手く作用するだろうと。
二人にそういう話をした後、まだまだ相手に対する怒りは抑えられなかったりするけど、相手がどうしてああいう態度になるのかは、それぞれよく理解出来ているように見えました。相手が理不尽だとは思ってなさそう。そして、理解出来る分、全て相手のせいに出来ないところが複雑で、そこを上手く処理出来ずキイキイ…といった様子もありました(笑)
こんな調子なので、子供達がぶつかり合ったり、キイキイしていたとしても、ああ、これは良い人間関係の勉強になるわあと、私は温かくそのバトルを見守れたのです。
そして、これはまさしくC君のお母さんあっての事であります。
C君のお母さんがトキの言動に眉をひそめる事なく「うわあ、トキ君もこうなんだ。うちも一緒〜!」と、ちょっと笑みがちに見ていて下さる。
トキの行動が酷ければ酷いほど、まるで「これって、うちの子だけじゃなかったのね、ホーレイ!(*゚∀゚*)」と喜んで下さってるような…?(笑)
世の中に寛容だったり温厚だったりで、トキの言動に目くじら立てないで下さるお母さんって、数少ないですが存在します。私にとっては女神の様な方々です。
C君のお母さんは、それとは違う。トキのあの酷い言動を嬉々として肯定的に見てくれるんです!それは、C君のお母さんがトキがなぜああいった言動に出るか、その根本から理解してくれているから。
「酷いけど気にしてないよ」という寛容ではなくて「〜だからこうなっちゃうよね。分かる分かる。」という理解と受容。これを得られる相手って身近には居ないのです。
分かってもらえる…。ああ、なんて気分が楽なんだろう。
C君のお母さんの前なら、トキがトキらしく振る舞う事に、何も煩わされず、私は心の底からの解放感を感じ、絶対的な信頼を寄せて、子供達を共に見守る事が出来たのです。
ギフテッドの子育ては、なかなか精神的に孤立しがちです。
周りのお友達のお母さん方とは悩みを共有出来たり、理解してもらう事は全く出来ません。そこに所属していても、少し疎外感を感じたり、常に非常なまでに気を遣って過ごしています。
C君のお母さんと過ごしている時は「ここが私の居場所だ」と思ったほどです。
ギフテッドの子を持つお母さんだと、これほどにも色々な物を共有出来るのかと感動すら覚えました。
ほぼ初対面なのに、こんなに気を遣わず、私が私でいる事も許されるという感覚です。
無理していいお母さんを演じなくても大丈夫。
子供達のバトルに「お互い様よね」と笑って言えるお相手だと思いました。
C君のお母さんとは、他のお母さん達とのお付き合いの話や子育ての苦労など、何を話しても「分かる、分かる〜!」と共感の嵐です。
下手すると、子供の様子をありのまま話す事が、周りのお母さんには自慢に取られてしまったり、張り合われてしまう場合もあります。子供が周りの子供より一歩二歩先の興味関心理解を人前で見せると、ちょっと居心地悪くなる事もありますが、その点においても心配がありません。
トキがC君のお母さんの目の前でいくらバリバリ計算問題解こうと、興味の対象に異常なまでの集中力や執着を見せようと、それはC君のお母さんにとっては見慣れた風景なのです。
「そうそう。こうやって、自分の好きな事を勝手に推し進めていっちゃうのよね。なのに、周りからは、やらせ過ぎてるとか教育ママみたいな言われ方して。いや…勝手に本人がやるんですけど…て思うんだけど、そこが伝わらないよね。やっぱりトキ君もこんな感じかあ。分かる、分かる。」って(≧∀≦)
ここ、分かってくれる人、周りにほとんどいません!!
ああ、何も取り繕わずに、トキのマイナス面もプラス面もそのままに、ありのままで過ごせるって、なんてなんて気持ちが軽やかになれるんだ〜〜(*´∀`*)
話が弾み過ぎて、あっと言う間に時間が経ってしまいました。
最後の日、駅までお見送りして、手を振ってお別れして、すごく楽しかったという至福の思いと、もうなかなか会えないという寂しさが押し寄せて、涙がじんわり滲みました。
今でも、時折空を眺めて、その距離を感じ「寂しいよう。会いたいよう。」と声に出してしまう事もあります。ものすごくC君のお母さんが恋しくなるのです。
きっと、私とC君のお母さんの相性自体も非常に良いものだったのだと思います。
相性の事は置いておいたとしても、ギフテッドの子をギフテッドのコミュニティで育てられたら、どれほど素敵な事だろうと痛感しました。
子育てに感じる親のストレスは、間違いなく激減するだろうなあ。
子供同士も良い刺激を与え合って、相乗効果で成長していきそう。
ギフテッドの人達って、激しさはあるけど、そこに思いやりとか優しさがあるので、本当に子育てするに良い環境だろうと思います。
このC君一家との出会いは私の人生に起きた事のうちで、最も素敵な出来事の一つとなりました。
こういう素敵なご縁があって、私の人生は捨てたものじゃないって思います。
次回はこぼれ話的にC君の小さな弟君の話を書きたいと思います(^-^)
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by nenetoki75
| 2020-01-22 10:16
| ギフテッド